飲食店ならマーケティングの基盤となる自分のホームページは絶対に持つべきです。ただし、ホームページは開設しただけでは意味がありません。
実際にお客さまにホームページを見ていただくためには、店舗名以外で検索されたときにもうまく表示させるようにする必要があります。さらに見るだけで終わらず、来店してもらうための工夫も必要です。
具体的にどうしたらいいのか。ホームページへの集客は、WEBに関する知識がないと正直難しい分野です。
- 初心者でもわかる、ネット集客で大事なポイント
- 今一番効果的なツール「マイビジネス」とは
- 市場別、ネット集客の戦い方
について解説します。効果的な集客ツールを選ぶだけではなく、仕組みを理解することで、本当に新規顧客を獲得することを目指しましょう。
ターゲットは「地域名+ジャンル名」検索をした人
お店の名前で検索してくるのは、すでにお店を認知している人。もちろんお店で検索してくる人のために、地図や価格などの必要な情報は載せておく必要がありますが、集客として狙うのは「東京+焼肉」のように、ざっくりと地域やジャンルで検索してくる人です。
さらに、意識すべきなのはそうしたお客さまがどこからくるのかということ。下の表は、媒体別の施策の集客効果について、効果的だと感じたかを調査した結果の上位です。
この結果からもわかるように、一般的に飲食店の集客効果があるとされているのはグルメサイトです。食べログやぐるなびなどのポータルサイトに効果を感じている人が多くいます。
じゃあグルメサイトをおさえようと考えるかもしれませんが、ちょっと待って。実はこのグルメサイトにアクセスする人がどこからくるかと考えると、Google検索からアクセスしてきているのです。狙うべきはグルメサイトでの上位表示ではなく、Google検索での上位表示のほうが大切なのです。
一番活用すべきツールは「マイビジネス」
Googleマイビジネスとは、2014年に始まったサービスで、ビジネス情報を登録しておくことでGoogle検索結果やGoogleマップ上に無料で表示させてもらえるツールです。
なぜマイビジネスを活用すべきなのかというと、Google検索の最上位に表示されるからです。食べログやぐるなびなどのポータルサイトよりも上位に表示されるので、検索からくる人の目に一番に飛び込むのです。しかも無料なので、ここの枠を抑えない手はありません。
Googleマップ上で現在地から「カフェ」「焼肉」などジャンル検索した際に、ヒットするようにすることも重要です。このためにもマイビジネスを利用しておくのがオススメです。
例えば、Googleから「新宿 カフェ」で検索すると、こんな感じで表示されます。新宿のカフェだと件数が多いので、ファーストビューがマイビジネスの登録で埋まってしまいますね。
cafe AALIYAをタップすると、詳細情報が表示されます。基本情報として営業時間や空席情報、地図などのアクセス情報もきちんと掲載できます。また、写真も複数掲載できるのでお店の雰囲気もバッチリ伝わります。
他にもメニューが写真付きで掲載できたり、価格も表示できるなど、かなりの情報を掲載可能です。
また、口コミも登録できます。マイビジネスは最上位表示されることもあり、お客さまに参考にされている可能性も高いので、ここの口コミへのオーナー返信はまめに登録するのがオススメです。
マイビジネス登録に必要なのはGoogleアカウント、つまりGmailアドレスだけ。マイビジネスのページから新規登録をし、店舗情報などを入力するだけで簡単に登録できます。本当に無料なのでご安心を。
掲載されるためには「オーナー確認」が必要です。いくつか方法がありますが、電話でのチェックが1番早いのでオススメです。承認されれば、すぐに掲載されます。
「市場チェック」で戦い方を決める
マーケティングで大切なのは市場チェックをすることです。例えば、出店している場所が激戦区かどうかで、ネットでの戦い方も変わります。
具体的には、「新宿+カフェ」はかなりの激戦ワード。検索結果でマイビジネスの上位を狙うのはすでに難しい状況です。
というのも、マイビジネスでの上位表示には正確で詳細な情報のほか、口コミレビュー数が関わっているとされています。レビュー数がものをいうため、激選区への新規参入では上位表示まで持っていくことがかなり厳しいのです。故意なレビュー操作はNGとされています。
この場合は、マイビジネスに頼っても表示が難しいので、上位表示されやすいサイトに掲載してもらうのが効果的です。新宿+カフェだと、下記のような検索結果になっています。
この場合、下記のような対策が考えられます。
- キュレーションメディア(まとめサイト)に掲載依頼をする
- 食べログ有料会員になり、サイト内の上位掲載してもらう
いずれも費用がかかることが多いです。激選区の場合は、マイビジネスが利用しにくいため、どうしてもコストがかかってきますね。
敵の少ない市場なら、ホームページにチャンスあり!
激戦区以外=ライバルが少ない市場の場合は、ホームページにも上位表示のチャンスがあります。食べログなどのポータルサイトに頼る必要がなくなることもあり、ランニングコストをかけずに集客することが可能です。
例えば、私が住んでいる地域の近く「新潟県阿賀野市 カフェ」で検索すると、マイビジネス下の検索結果はこんな感じです。
食べログが上位にありますが、個人店もかなり上位に表示されています。地方だと、食べログの情報が網羅できていなかったり、キュレーションサイトが対象にしていなかったりするため、個人店がランクインしやすくなっているのです。
この場合、独自のホームページをつくって上位表示させることも可能です。もちろんマイビジネスは無料ですし、MEOの観点からも併用がオススメです。
集客成功のポイントは「写真」
市場に関わらず、飲食店のホームページには「美味しそうな写真が載っているかどうか」がかなり重要です。写真の見栄え次第で、集客は決まると言っても過言ではありません。
飲食店のホームページで使う写真は、ぜひプロのカメラマンに撮ってもらうことをオススメします。ここはお金のかけどころです。撮影費の相場は2〜3万円程度。ミツモアやOur photoなどの専門サイトで探せば、結構いろいろなフォトグラファーが見つかります。
ぐるなびなど代理店にお任せで撮ってもらうこともできますが、割高なことも。自分で探す手間やこだわりにもよるので、ここは好きな方を選ぶのがよいでしょう。
SNSでの集客は、パワーに対してコスパ△
SNSでの集客の場合も、狙っていくターゲットは同じ。店舗名ではなくざっくり検索してくる新規顧客です。
ホームページをストック型と呼ぶのに対し、インスタはフロー型と呼ばれます。どんなこだわった投稿でも、タイムラインをガンガン流れていってしまうため、毎日の運用が大切になってきます。
また、インスタでかなり重要なのは的確なタグ付けをすること。「#〇〇部」「#〇〇屋」といったタグが王道です。例えば、カフェ部というタグは200万件以上の投稿がヒットします。同じタグでもかなりの頻度でトップが入れ替わるのも特徴です。
飲食店だとラーメン屋、パン屋…といったタグも使いやすいですね。
いずれのタグでも1日後にはまったく違う表示がされるようになります。件数の多いタグはよく見られている反面、投稿が流れていくスピードも早いです。アクセスしてもらうためには、タグ付けをした上で定期的に更新する必要があります。
まとめ
飲食店のWEBにおける集客についてまとめました。
- ターゲットは「地域名+ジャンル名+α」で検索してくる新規顧客
- 無料で使える「マイビジネス」は活用すべし
- 市場チェックは必須。お店の競合度合いに合わせた戦略が必要
- 集客成功のために写真の出来にはこだわるべし
迷う場合は、まずはマイビジネスからはじめておくと吉です。集客のポイントは「地域名+ジャンル名」で検索してきたお客さまをしっかりお店へと集客できるかどうか。必要に応じてSNSやホームページ、ポータルサイトなどを活用していきましょう。